2017-01-09(Mon)

シリアスにヒューマンな感動が炸裂した『IQ246〜華麗なる事件簿〜』最終回

12月18日の最終回から少し遅ればせになりましたが、
前クール(2016年10月クール)で唯一、最終回に触れておきたいドラマだったので
TBS日9『IQ246〜華麗なる事件簿〜』について、いまさらながら。



第6話あたりから細部細部に表れてきてた縦筋の大プロットが
この最終回では一気に収束に向かいます。
実のところ、沙羅駆とマリア・Tのそもそもの因縁が始まったはずの
おそらくはオックスフォードやケンブリッジみたいな英国名門大学あたりを舞台にした、
そしてもしかしたら両親や学友やの死が絡むような(以上、ただの私的推測)
若くしての極悪天才犯罪者マリア・Tとの「初戦」に絡むような回想や説明は
ある意味端折られすっ飛ばされた感もありますが、
それは2時間スペシャルや映画(は勘弁して!)に取り置きなのかも、と。
で、もっとアクチュアルでシリアスな、重要な隠れた大テーマが
おおむね3つの強力な見せ場でしっかりカタをつける形で語られるのです。



まずは、奏子が沙羅駆を庇って警察のスナイパーに撃たれ倒れるシーン。
命の危険も顧みずスナイパー部隊の火線上に身をさらす沙羅駆。
何でもできて何にもやらなくても生きていけるがゆえに
飄々と退屈・倦怠の内に余裕綽々で生きているように見える沙羅駆の心の声が噴出します。
「君たちの目は節穴か
 このように純粋で馬鹿正直な人間を撃つとは」
「命令は絶対だ 意志など持つな 機械になれ 何も考えるな —
 そう訓練されているんだろう
 だが君たちは人間だ
 あの者を見て何も感じないか」
そして、奏子の命を惜しむあまり、沙羅駆自身がマリア・Tと同じ闇に呑みこまれそうに。
「和藤奏子はごく平凡な一般的国民だ
 純粋で正直でまっすぐな
 そのような人間を見殺しにする世界など続けていく意味があるのか」
「政府の機密データを盗む
 和藤奏子を今すぐ救うよう 交渉する」
でも瀕死の重傷で息も絶え絶えな奏子の訴えにわれに返るのです。
「法門時さん 駄目です 犯罪に手を染めては
 それじゃマリア・Tと 一緒です」
IQ246や300の天才であれば、犯罪計画でもお金儲けでも何でも「成功」させられる、
でも世の中には、人間社会にはもっと大事なことがある —
生死の境にあっても自分の命より沙羅駆のことを慮る、
そんな奏子の訴えあってこそ、沙羅駆を踏みとどまらせることができたのでした。



それを受けて、次なるクライマックスの沙羅駆とマリア・Tの最終対決シーン。
ここではIQ300の、そしてそれゆえこの世界に絶望した一種の確信犯マリア・Tと
似たような何かを抱えつつもこの世界や人間を見限らない覚悟をした沙羅駆との
哲学的とも言える「対決」にこそミソがあり、このドラマの白眉であると思います。
「すべてをゼロにしたいの
 この世界の延長線上に未来はないわ
 今ある価値観をすべて壊して 新しい世界を作るのよ」
「それがIQ300の出した結論か
 たいしたことはないな
 それは目の前の現実から逃げ出しているだけだ」
「確かに 人間は愚かだ 何度でも失敗をする
 が 同時に成長もする
 昨日はできなかったことが 今日できることもある」
「この世界はいいところも 君が言うように悪いところもある
 だが諦めれば未来は終わる
 必要なのは諦めずに考え続けること」
「君はずっと一人で生きてきた
 もし誰かを信頼できれば 君の人生もちがっていたんではないか
 人は一人では生きられない」
巡り合わせによっては自分もマリア・Tのようになっていたか、
もしくは代々の先祖のように倦怠と絶望ゆえに自殺を選んでいたかもしれない —
マリア・Tに最後の説得・問いかけをすると同時に
沙羅駆は(この物語での)多くの「出逢い」によって変わった自分のことをも語るのでした。



そしてラストの、もうひとつの白眉。
天才で大富豪で、かつある種の「囚われびと」である沙羅駆は、
独特の憐れみやシンパシーからか、マリア・Tを救うとともに一種の「相棒」とし、
実際にこの世界を、たとえば「御前様」のような存在に代表されるこの世界の
変革を目指すもっとも困難な大事業に乗り出すことを示唆します。
「では今日は 国境をなくすことのメリット・デメリットについて話してみよう」
「私は考え続ける 君も考え続けるんだ」
先の「対決」でマリア・Tに語り、そして結果的に自身にも突きつけることになったタスクを
再確認し、困難な実践に乗り出していく沙羅駆のワクワクをも含む興奮が
さらっとシャレめかして表現された見事なエンディングでした。
そういうところからは、結果的に失敗した『SPEC』や『安堂ロイド』に対する
意外で見事なアンサーにもなっていたとも思えます。











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