2017-03-07(Tue)

百合に捧げる伝道の書『アルトの声の少女』


前回からの流れで、80年代の『LaLa』連載漫画から
いわゆるBL/GLのそれを超えるヒリヒリくるようなドラマツルギーを持つ
本物の "ドラマ" がどれほど強力なものになるかの好例に
篠有紀子さん作『アルトの声の少女』を挙げておきます。
漫画レビュー多めだった当初採りあげようと思ってたのに
ロクに商品(もちろん中古)がなくて諦めてた作品ですが、
その道の市場/評価に変化でもあったのか、最近は入手容易になっている模様なのでした。

  



GL/百合といえば
ちょっと前なら『トランジットガールズ』
直近では去年の欅坂46ドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』でも
ある種キャッチーなトピック性として使われたりするものですが、
「そういうのはちょっと...」という層の人にまで訴えるような
ドライヴ要因になり得てないことが多いです。
対してこの『アルトの声の少女』は、
思春期には男女ともに出くわし、
それどころかたとえ大人になっても人の心の奥深くに潜み棲み続ける
愛する/愛されること、愛したい/愛されたい/愛し返されたいと思うことの
天秤ばかりのままならなさを見事に描いてドラマツルギー抜群。
「学園ドラマ」の日常的舞台でごく日常的エピソードを使いながらも
まるでシェイクスピア劇のような普遍的で古典的な「大きな物語」になっていて、
センセーショナルな「事件」めいたことは何も起きないにもかかわらず
ハラハラ、ズキズキ、ヒリヒリする劇的シーンが時に突沸するスリルが尋常じゃないです。



エンディングもさらりと
でも泣きはらした後のような寂寥感と清涼感を併せ持つ感慨深さの
とってつけた感とは程遠いシリアスな苦さのあるギリギリの、まあハッピー・エンディング。
初盤ではある意味すごくイヤな子に見える麻美の、がむしゃらでなりふり構わぬ愛が
悠有の閉ざした心を開き溶かす、地味にも大いなるエンディングだと思います。



ソースが見つけられないでいるのですが、
インタビューかコミックスの脇1/4スペースか何かで
清水玲子さんは『輝夜姫』の人物造型のインスピレーション源のひとつとして
この『アルトの声の少女』を挙げていて、
確かに晶・まゆの造型は、悠有と麻美+悦子のそれとも重なります。
新世代の清水玲子ファンで、その系譜を深掘りしようという方がいらしたらご参考までに。











にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへ 人気ブログランキングへ
にほんブログ村



プライバシー・ポリシー

コメントの投稿

コメント

プロフィール

Author:hisfairlady
ゆとり?ヌルオタ?非モテ?非コミュ?でまちがいなく腐女子なんですがいとしのあのひとに見合う貴婦人になりたいんです ><

最新記事
ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

スポンサード リンク




カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ